秋月テスタの APO 解除方法と AC電源対応改造(01)

別に 2桁も続かないけどシリーズナンバーは、気分的に「01」。

【比較的重要なお知らせ追記】
ACアダプタ端子など外部電源入力をもうける場合、絶縁は重要視してください。計測値が狂う可能性のほか、最悪テスター及び計測対象を壊す可能性があります。端子部の金属などが露出したりどこかに接触したりしないような配慮が必要です。
実際、DC ジャックのマイナス端子部分が計測対象機器と接触すると、テスタの電源が落ちるといった事例が確認されました。詳しくは以降の記事中に追記しましたので、御確認お願いいたします。

秋月電子ブランドのポケットテスタシリーズ、これが「お、値段以上」に使いでがある、という話から。

(これら 3台の違いは、主に測定レンジの違い。例えば電流測定の上限は、上から順に 200mA , 400mA , 600mA という具合。)
日本製でないとかカバーが付いてないとか、ポケット言う割には結構分厚いとか、機能面でも細かいことを言えば正味な話いろいろあるにはあるのだが、家電量販店の電池コーナーに置いてある手帳型テスタを買うぐらいなら、これを買ったほうが圧倒的によい。
なぜにゃらば。

  • このクラスのポケットテスタで周波数計が付いているものは、そう無い。
  • このクラスのポケットテスタでコンデンサの容量計が付いているものは、そう無い。
  • このクラスのポケットテスタで mA レンジの電流計が付いているものは、そう無い。

常用テスタ最初の 1台としても充分おすすめできる*1
そして、芸の細かいことに、約15分(機種と世代によっては約30分)で電源の切れる「オートパワーオフ」(以下「APO」)が、電源投入時の操作によって解除も可能なのである。連続計測の際にはこれが重宝する。
方法は、

  • P-10 の場合、[SEL] ボタンを押したまま電源投入。
  • P-9 も P-10 と同様と思われる(未確認)。
  • P-16 の場合、[MAX/MIN] または [R・H] ボタンのいずれかを押したまま電源投入。
    ([SEL] ボタンでは解除にならない)


左が通常状態で電源投入した場合、右が [MAX/MIN] ボタンを押しながら電源投入した場合。P-16 では APO 有効の場合、りんごのような「タイマーマーク」がつく。
ボタン電池を使用しているポケットテスタに APO は必須。うっかり切り忘れていて出先で取り出したら電池切れだった、では洒落にならない。だが、これが非常に邪魔になるときもある。必要に応じて APO を解除できるのはとてもありがたい。…って、取説を読めばちゃんと書いてある(秋月の広告にも「解除可能」の文字がある)のだが、私は最近まで知らなかった。 取説なんて読んだことないという人が実際ほとんどではないかと思う。


で、APO 解除状態で運用する場合、気になってくるのが電池。たいした消費量ではないから、1Ωレンジで何日間も計測を続けるなどという「よっぽどな」使い方をしない限り、使用中いきなり電池切れになったりすることは無いと思われるが、それでもやはり欲しくなるのは外部電源である。ボタン電池だし。
幸いにして、というべきか、このテスタには「すきま」が多い。いろんなものを詰め込んだりするゆとりには事欠かない感じである。ならば、というわけで、外部電源、それも、AC アダプタ用の端子(ジャック)を内蔵してしまおう、と思い立った。
細かいことを言えば、電源を外から引くことを想定されていない計測機器に外からの電源を投入すると、計測値に影響を与えるかもしれない。だが正直、細かい精度の必要な計測など、私はしない。問題がありそうならアダプタを抜けばいいだけの話。

適当なところでまとめあげれば決して困難なところなど無い…はずであった。そう、適当なところでまとめれば。


「02」に続く。

*1:当然飽くまで電池工作レベルのホビー用途として。家庭用 AC 100V ラインの測定を想定して 10A 計が欲しい!なんていう向きには、悪いことは言わない、ちゃんとした(という言い方も変だが…要するに「お値段もしっかりした」)ブランドと機種を選定することをおすすめする。
あと、車とかバイクとかの電気系統をいじるような場合にも力不足の感は否めない。(ってこんなこと言うまでもないとは思うけど。緊急用として工具箱の片隅に押し込んでおく以外は。)