トランジスタチェッカ【DCA55】をチェックしてみた


画像は熾火研究所おすすめトランジスタのひとつ、2N2222A 。

【速報】(2012/02/21)
秋月が DCA55 の扱いを開始しました!

しかもお求めやすい ¥4,200.-也。ありがとう秋月!

…ただし、ATMEL AVR マイコンで抵抗も測れたりしちゃうのを自作した記事なんてのも出ているから、日本でも Arduino ベースで開発してくれたりする人が近いうち現れるかもしれない。…そのへんは御考慮の上で。

   (註:ドイツ語です)*1


おまけ
秋月電子さんは この 2012年02月に一気に Peak E.D.L. の「atlas」シリーズを取り揃えたようで、一部周辺アイテムを含めて日本で手軽に買えるようになったのは非常に嬉しい。

【速報2】(2013/01/27)

DCA55 の上位機種、 DCA75 が出ました!こちらでレビューしていますので、是非御参考に!
ひとことで言うと、かなりいい感じに高機能、ですが、高いよね、といったところ。(あと、高機能とはいえ簡易測定機であることにかわりはないです)


というわけで、前回ざっと紹介したトランジスタチェッカ「atlas DCA」こと DCA-55。
http://www.peakelec.co.uk/acatalog/jz_dca55.html

どの程度「使える」もんなのであろうか、というあたりを、折角入手してみた行きがかり上、非力ながら全力で探ってみる試み。

まずは…分解してみる。

…っておい。

裏面はこんな。タッピングビス 3本でとまっている。一見特殊ネジのようにも見えるが普通のプラスネジ(PH+2) → 後日訂正。「PZ2」(ポジドライブの 2号)らしいです。低トルクなので PH2 でも問題なく使えますが、慎重を期するならば「PZ2」(POZIDRIV® の #2)のビットを入手してみてください。*2
45°方向の「ひげ」が目印。
因みに電池蓋のようなものは無く、電池交換のときにはネジを外して、文字通り分解することになる。
因みに使用されているネジはおそらくインチスケール(d = 1/8"? 長さは12mm くらい。ピッチはたぶん 20山/inch? → ピッチゲージで確認しました。20山/inch でした)。日本では入手できない可能性があるので、なくさないほうが無難です。*3

奥が DCA55 のネジ。手前が日本国内で一般的なタッピングビス(3×14;2種溝付きタッピング;ピッチは 24山/inch)。ピッチも山の深さも違うので使えない。



マニュアル(User's Guide)はこんな。日本国内の正規代理店から購入すると日本語マニュアルがついてくるそうだが、後述の通り私はメーカーから直接購入したので英語版。なお、こちらのPDF と同じ内容。ソンナニエイゴムズカシクナイヨー。(←全部読んでない人間が言うな( ゚□゚))

 

開けるとこのようになっていた。
バッテリは「23A」という積層電池(12V)。日本では普及していないが民生品であり、最近では入手難度も低いので電池の心配をする必要はなさげ。…というか、かなり以前から秋月電子でも普通に販売している
基板上側に並ぶ端子は LCD(液晶)モジュール。左側、バッテリの下側にテストリードのアウトプットがあり、保護用と思われるダイオードが各リードに 1個ずつ配されている。LCD パネル以外のパーツはすべて SMD 。バッテリの上あたりが電源回路であろう。

LM2931M-5.0 は、ナショナルセミコンダクタの LDO (5V)。



頭脳は PIC16F886 。ほかに HC4051 (アナログマルチプレクサ = (切替制御による)ゲインコントロール?)が 2個、LM324 (4回路OpAmp)が 1個使用されている。私にはわからないが、きっとシンプルで判りやすい回路であろう。



基板の裏面、というかむしろおもて面。LCD モジュールと SMD のタクトスイッチ。
そして左側、「J1」というシルクのある、使用した痕跡のある端子が見える。実装後に PIC への書き込みができるようになっているのだろうか。


総じて、内部はすっきりしている。

購入に関して

予め追記:販売価格に関しては今後もかなりの変動が予想されます。ここの記述は最新情報でない可能性がありますので、充分御注意ください。

先の記事でも若干触れたが、Peak Electronics Design, Ltd. は英国のメーカーであり、主要各国に販売代理店を設定している。日本では「川島オーディオサービス」というオープンリール機器修理/販売会社。

こちらで DCA55 を購入すると、2011/08 現在で ¥10,500.- +送料(東京へは ¥840)。(※ 後日追記あり。↓もう少し先まで読んでください。)
一方、Peak Elec. でも世界に向けて通販を行っている。日本も例外ではない。エアメールで「郵送」してくれる。その場合の価格は 2011/08 現在で £34.17 + Airmail (だいたい £6 程度 → 実際は £6.94 )。いま、£1 = ¥130 ぐらいとして…えーと、ごにょごにょ。*4


……さて。
…細かい計算は各自していただくとして、単純な話、いま(2011夏)はカナーリ円高なので直接買ったほうが割とお得かもしれませんね、っていう話です。…ただし、メリットはお財布のみ。
エアメールとは言っても注文確定から到着まで最低でも数日はかかる(私の場合、正味 7日間だった)。 Priority Mail (速達的な扱い?)とは言え、途中でロストのリスクもあるわけだし、税関で理不尽にも留め置かれるかもしれない。国内代理店に注文すれば届くのはすぐだし、輸送リスクは遥かに少ない、更に日本語マニュアルもつきます。
あと、私の場合は、最初に注文をかけたときクレジットカードの不具合で先方の Bank における支払が完了できず*5、仕方なく別のカードで最初からやり直すというありがちなトラブルが発生したということも一応併記しておきます。海外通販は何かあったときにとても面倒です。(海外の人から「また阿呆の子や日本人めが」と無闇に思われるのもなかなか癪なものですよ。)
どっちがいいかは、判断の分かれるところだと思います(…と、言うだけ言っておく)。

正直なところを言っておくと、私なら、このガジェットにイチマンエンを出す気にはなれない。…でも、数千円ならば、場合によっては…というあたり、これが本音…。


【あまりあてにならない追記】
…すみませんチェックが疎かで m(_ _)m
「川島オーディオサービス」においても、(時期は不明だが)大幅な値下げが敢行されたようだ。2012/03 現在、DCA55 は ¥5,880.- +送料。


【一応ここにも追記】
なお、もう冒頭に書いたので繰り返しになるが、2012年02月に秋月電子通商が DCA55 はじめとする atlas シリーズの取扱を開始した。価格的にも充分「アリ」なところにきているので、もう購入先に関して迷う必要もなさそうである。

使ってみよう!

やっと使用してみるわけですが。
再掲になりますけども

サポートデバイス
ゲルマニウムトランジスタ、シリコントランジスタ、MOSFET、JFET、ダーリントントランジスタダイオードダイオードネットワーク、LED、2色LED、サイリスタ、トライアック

を、(どの足がどのリードでもいいので)適当に繋いで「on - test」ボタンをポチッと 1回押すだけで、判別してくれるという非常に簡便なオペレーション。とりわけ、極性を考えなくてよい(つまり、逆接とか心配しなくてよい)というのがこのガジェットの最大のウリと言ってよさそう。
(電源オフは「scroll - off」ボタンを長押し、若しくは何も操作しなければ 30秒で切れます)
反面、検査するデバイスは基板に載っていたり、他のデバイスと接続されていたり、といった状態では不可で、単品切り離されていなくてはならない。説明書には「DCA55 のテストリードにはいかなる電圧もかけてはならない(たとえばキャパシタの残留チャージようなものであっても)」というようなことが書かれている。このトランジスタチェッカは当然の機能として検査するデバイスが故障していた場合にはその疑いを示してくれるわけだが、基板に載っているままの状態では検査できないわけで、このへんがなかなか苦しいところ。
…無理もないのだが。


細かく見てみましょう。


トランジスタ
シリコントランジスタか、ゲルマニウムトランジスタか、ダーリントントランジスタか、あるいはデジタルトランジスタか、といった判定をしてくれる。判定は単純で、例えば VBE が低ければ(<0.4V)ゲルマニウムトランジスタであるといった具合。

若松通商で売っている、2SA101 。

「あってる。」…という言い方もおかしなものではあるのだが、一応「それらしい値」が返ってきているという印象。

しかし… マルツで(この為(だけ)に)購入した(といっても過言ではない) 2N3055 の場合はどうかというと。


hFE が 200を超えてる…だと?
はて。
これはどっちなんだろ、DCA55 の返す数値がどうかしてるのか、それともデバイスが所詮レプリカ的な何かなんだから hFE の値なんて Genuine と違って当然でしょって話なのか…。データシートによると 2N3055 の hFE はこんなに大きいはずがない(最大で 70 とかだったはず)。
…と思ってデータシートをよくよく見返してみると、Ic = 4A で hFE 20 〜 70 。グラフ上では 35 ぐらい*6

   

IC = 2.50mA というのは俄然グラフの範囲外だが、25℃ で HFE > 100 ぐらいはありそうなので、4A 時における「ばらつき」を考慮すれば 200 ぐらいの値が出てもおかしくはないということ*7だろうか……  んんんー。


このガジェット、自動でいろいろ測定してくれるのだが、そのコンディション(電圧・電流)は選ぶことができない。


ダイオード/LED】
3本のテストリードのうち 2本に「ダイオード的な何か」が接続されていれば判定/計測が可能。

このように、3本足パッケージで 1本 NC になっているような SMD ダイオードも問題なく扱える。(画像は秋月で購入した SB1003M3

…ただし勿論、トランジスタを解析にかけて、1本接触不良だった場合も同じ結果になる可能性があるので注意が必要。


さて、このガジェット、ダイオードチェックには有効だろうか? 結論からいうと「いまいち」だ。
一応ダイオード類(2本足)に関しては

  • Diode or diode junction(s)
  • LED or diode junction(s)

の 2つに分類がなされるが、それ以上はひとまとめである。そして更に、テスト電流が数mA (2〜5mA 程度らしい)なので、Vf の値から得られる情報も少ない。具体的には、ゲルマニウムダイオードショットキーバリアダイオードを見分けられない(シリコンダイオードとも混ざる)。

鈴商で購入した 1S188 、この結果を最初に見たときには「担がれたか!?」などと思ったが、この計測時には 約5mA が流されており、まあ、だいたいこんなものらしい。

同じダイオードをマルチテスタのダイオードチェックモードで計測してみたところこのような値に。(この際の電流は 0.41mA ぐらいであった) また、0.1mA の CRD を使用して Vf を計測したらもう少し低い値となった。
正味な話、Vf のみでダイオードの分類が完全にできるわけでもないし、特性カーブをなんとなくでも推定するためには数点の計測が必要ではあるのだが、一発で最も Vf に特徴の出やすい電流値といったら、たぶん 0.1mA 以下のゾーン、ということになろうかとは思う。 

数mA の電流ではショットキーダイオードのほうがゲルマニウムダイオードよりも低い Vf を示すことが多いようだ。画像は RK34 (40V / 2.5A)。


1つのパッケージに 2つのダイオードが入った所謂「Diode network」も判定してくれる。

ただし、3端子の IC をテストするとこれらに判定されるケースもありうるので要注意。また、故障したり機能低下したトランジスタがこれらとして判定されることもあるそうだ。



そして、ごっちゃになると最も苦労する、つまり、簡単に判別できたらとても助かる「その他のダイオード」、CRD (定電流ダイオード)と ZD (ツェナーダイオード)を DCA55 にかけるとどうなるのか。結論を先にいうと「やっぱり…いまいち」。
まず、CRD 。肩特性電流の低いもの(実測では 3mA より小さいもの)に関しては、普通のシリコンダイオードとして判定される。それより高い電流値のものは、「Unknown」と返ってくる。

画像は「標記電流値」 15mA の CRD (石塚 E-153)。
やはり CRD は 5〜12V 程度の LEDテスト用定電流電源か何かでほどほどの電流を印加してやってテスタで計測するしかないかもしれない。
ツェナーダイオードはすべて普通のダイオード or LED として判定される。ツェナー電圧の低いものはテスト電流(2 〜 5mA 程度らしい)に応じた Vz 的な数値が Vf として表示されるようだ(標記電圧よりも若干低い値になる∵電流が低めだから)。従って、通常のシリコンダイオードよりも高い Vf 値が出た場合には、ダイオードの刻印と併せてツェナーダイオードであると判断することが可能かもしれない。一方、概ね 3V 以上の Vz を持つツェナーは、 DCA55 ではみため普通のシリコンダイオードと変わらない結果になるので、ツェナーかどうか知ることはできない。

画像は秋月で売ってた Vishay の BZX85C12 (12V 1W)※ I-01003


LEDについては、繋いでポン! で極性も Vf もわかるかんたんなチェッカーとして DCA55 が有効に機能する。チカチカっと点灯もするので、点灯チェックも同時にできる。 …ただし! 一部の青色・紫色・白色 LED に関しては、DCA55 は「Unknown」を返す。

概ね Vf > 3.0V の LED がこういう仕打ちを受けるらしい。

取扱説明書にも記載されている「仕様」なのだが… 残念。 非常に残念。
また、Vf の低い赤外線 LED (< 1.5V)は「LED」と判定されず、普通のダイオードの扱いを受ける。発光しているかどうかも、勿論わからない。(ただし、見た目でだけでは区別のつきにくい赤外線ダイオードの発光素子と受光素子を計測によって見分けることが可能ではある。発光側→「Diode」、受光側→「No component detected」または「Unknown/Faulty component」(← 受光状態により変化する))


3本足の 2色LED も正しく判定してくれる。また、日本ではあまり見かけないが(というか、LED を逆接するという前提のそういうデバイスがあっていいのか?とか思うのだが)2個の LED 素子を並列に逆接したかたちの 2線式 2色 LED というものも存在するらしく、これも判定し、それぞれ Vf など表示してくれる。

2本の LED で擬似的にテストしてみた。
確かに昔、「2線式信号機」って LED 2個 並列に逆接して作ったことあるけど、小学生のおもちゃだからねぇ、あんなものは…

こんなもの↑↑↑…(なつやすみのこうさくにぴったりだね!)※ 参考にした書籍の作例では LED ではなくシリコンダイオードと豆球を使用していました。念の為


【FET】
FET は、この DCA55 が割と有益に機能するデバイス群と言っていい気がするが、いかんせん私が FET に詳しくないのでレポートは散漫になる。
さしあたり手持ちで既知の(死蔵している、とも言う) FET をざっくりテストした結果はすべて「正しかった」。
実績としては、千石電商ジャンク袋に入っていた「6N10」というデバイスがネットで探したデータシートと併せて Enhancement type N-ch MOSFET であることを確認できた。足の極性を一発解析してくれるのは楽でいいし、データシートとの照合の手がかりのひとつとなる。
 100V 6A
壊れやすいと言われる MOSFET を破壊する心配なく(…たぶんね)調べられるのは非常によい気がする。

JFET (と、Depression type MOSFET)に関しては IDSS も判るとよかったのだが、流石にそれは無理か。

画像は 2SK210 (鈴商)。SMD → 万能基板でリードタイプに強制変換。


【その他のデバイス
当然正しい結果は返ってこないとわかってはいるが、比較的身近な、あるいは、なんだかよくわからなくなりがちな「3本足たち」などを、いろいろとテストしてみた。(まあ、正直実りある仕事ではないよね。それははじめから判ってる。)

  • フォトダイオード(フォトトランジスタ
    • 残念ながら「No component detected」または「Unknown/Faulty component」となるようだ。…ただし、ものは考えようで、デバイスを蛍光灯などの光源に近付けて「Unknown」、遠ざけると「No component」となるようであればそれはフォトデバイス[受光]として正常に機能している可能性が高い、ということである。
  • 三端子レギュレータ
    • あんまり画像で紹介してもしょうがない気がしてきたのでざっくりと結果だけ列挙してみる。
    • LM317 → Three terminal bicolour LED
    • 7805 → LED or diode junction(s)
    • AZ1117H-ADJ → Common anode diode network
  • 電圧リファレンスIC
    • μPC1093 → NPN digital transistor
      因みにベース抵抗入り(一般的には)の所謂「デジトラ」は DCA55 では「デジトラですよ」と言うのみ。
    • LM336-2.5 → 

      Vf は 2.52V と 2.62V 。この値をどう見ればよいのかは不明。
  • リニア温度センサ
    • LM60CIM を試したところ、2-3ピン間が Vf = 3.60V のダイオードであるという結果が返ってきた。
      何故敢えて SMD ? というような質問には答えません。
  • リセットIC
    • MN1280*8をテストしてみたところ、「Series Network Diode」と判定された。
      畢竟、DCA55 にとっては、3端子 IC は鬼門である。
  • ホール素子
    • 素性のよくわからない 3端子のホール素子をテストしてみたところ、「Sensitive or low power thyristor」及び「3線式 2色 LED」と表示された。


      いずれにせよ、正しい判定は期待できない。

注意点とか、総評的なもの

テストリードに付いている ICクリップは比較的しっかりした作りではあるが、先端が太いため、SMD (表面実装デバイス)をそのまま挟んで計測するのは困難を極める。そもそもリードデバイス用のガジェットなのであろうが、SMD こそ「謎のデバイス」になりやすいのだから、ここはもう少しなんとかならないものだろうか、という気はする。
結局、SMD は、SOT223 や SO252 などの大型以外は変換基板に貼りつけてテストした。

といった次第で、接触不良には注意。リードタイプデバイスにしても、接触抵抗で hFE などの数値が大きく狂う可能性はあるし、最悪、異なるデバイスであるという結果を返すかもしれない。ポンと出てきた結果が「まっとうか、否か」を判断しにくいのは、何でも来い的なガジェットの宿命ではある。


今回は特にテストできなかったが、デバイスの故障診断にも DCA55 はある程度効力を発揮してくれるはずである。予め調べておいたか、若しくは定格の判っているデバイスに関して、数値が大巾に違ってきていればデバイスの劣化を疑っていいということだ。 …ただし、基板上のデバイスはテストできないから、どうにかして基板から外さなくてはならない。


実際に未知のデバイスをいくらかテストしてみて思ったのは、この、 DCA55 によって得られる結果だけでは、そのデバイスを使うにしても使わないけど品番特定はしたいにしても、いま一歩「届かない」感はある。まず、調べようがないとはいえ、「絶対定格」はわからない。絶対定格のわからないデバイスは使いづらい。どうせ電池電源の小信号回路でしか使わないから平気だろう…ってケースならば……いや、汎用品でいいんなら、素性の知れてる新品を使うよね。


テストのコンディションをユーザーがコントロールすることができない点も若干不満が残る。例えば、半導体について判断する上で非常に有用な指標となる Vf (← っていう認識であってますよね?)は、流す電流によってかなり変化する。食わせる電流によって得られる情報は違ってくるわけ。勿論、流しすぎれば半導体はあっけなく壊れたりするわけで、これを防ぐためにはもう最初っから微弱電流しか流さないような設計にしておけばいいじゃん、となるのは当然の帰結ではある。万能でお手軽なガジェットの方向性としては間違ってはいない、でもやはり、折角ここまでできてるんだからあともう少しいろいろできて欲しい、という欲目はある。


各数値の測定精度について言及するのは、対照実験をして評価できるほどの設備も根性も生憎と持ち合わせていないので割愛するが、「そもそも」数値を云々するほどのガジェットではないと考えたほうがヨサゲな気がしている。あくまで参考程度、というか、デバイスを特定する手がかりのヒントぐらいの位置付け。正確に計測したいのであれば「ちゃんとした」ジグと機器が必要なのは言うまでもない。
DCA55 が「ポケットに入るワンボタン系ガジェット」であることを考えれば、印象論としては「そこそこいい数値を返してくれているんではないだろうか」という感触は得た。(定性的ですみません)


…などと言うとりますが
多少の「行き届かなさ」を感じる部分はあるとは言え、多くの場合微小電流を供給する電源とテスタ、リード線、クリップ、場合によってはブレッドボード…を準備し、考えながら最低限慎重にテスト回路を組まないないとできないテストを 1台でサクっとやってくれる DCA55 は、確かに便利である。…これに数千円を投資するべきか、否か、という問題を別にすれば、ではあるが。




ジャンクパーツが(いくらか)陽の目を見る(…かもしれない…) 因みに画像は千石ジャンク袋にごそっと入っていたツェナーダイオード(2.7V)。

…というよりむしろ

どなたかこれ、 Arduino で作ってくださいませんか。

おまけ

折角なので、キャリングケース的なものをあてがってやることにする。
メーカーサイトには、こんなような純正ケースつきの限定モデルもあるようだが…

これ、ケースに入れたまま使えるようなデザインだったらもっとよかったのにね。


私は百均で見繕ってみたよ。


この他に、文具コーナーなどでもそれらしいケースを探せそうである。今日日のデジカメは小さいのでアレだが、古いモデルのものならばデジカメケースも流用できるかもしれない。


…って、どこに持ち運んで使うのかは不明。


【こちらにも追記】 PSP のキャリングポーチがちょうどいい! とりわけ PSPgo のケースは「あつらえたんじゃないか」と思う程度にはピッタリサイズ。ただしぴったりすぎて予備電池やオプション品を入れる隙間が無い。
PSP のケースをワゴンセールなどで安く売っていたら Peak Atlas シリーズ用に調達しておくのもいいと思います。

たまにこんなのが ¥200 で手に入ったりします @秋葉原

*1:via https://twitter.com/#!/morecat_lab/status/167969064407412737

*2:cf. http://chitei.blog108.fc2.com/blog-entry-220.html

*3:IKEA で販売している木ねじセットの中に流用できそうなものがあるかもしれない。
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/50224229/
ただし運良く径やピッチが合っても先端をカットオフするなどの細工は必要。どなたか試してみてください…(^_^;)

*4:【後日追記】(2011/08/22)
クレジット明細が来て実際の購入金額が判明しました。送料込みで ¥5,325.- でした。たぶん月極レートかなんかが採用されてるんでしょう。2011/07/18 時点で £1 = ¥129.539 だそうです。…けち。

*5:なんでも、(クレジット)請求書の送付先(要はクレジット会社)と商品の送付先の国が異なると決済できないとかで、…って何それって感じだったのですが、どうやら S●NYファイナンスという会社がナニカやらかしてくれてるようで、ともかく「駄目」なようでありました。
…で、セゾン系は無問題だったらしく、あっさり通りました。

*6:ネット上で見つけた STマイクロの 2N3055 データシート(via )には IC - HFE のグラフは無かったが、オンセミのデータシートにはあった。

*7:因みにオンセミのデータシートに記載されている「Small Signal Current Gain (Ic = 1.0Adc, VCE = 4.0Vdc, f = 1.0kHz)」項(=パルス駆動時の値)によると hfe = 15 〜 120 。こちらの値と比較してみても、209 という数値をどう見るかはいささか微妙なところな気がする。
更に因むと、コンプリメンタリペアとされている MJ2955 (一緒に買った)は hFE = 110 (@IC = 2.50mA)と出ました。…ま、このトランジスタを数mA 領域で使用するどあほうはいないと思うので、この結果だけでは何かを評価することはできないと思いますが。

*8:Voltage detector (4.2V)
http://www.semicon.panasonic.co.jp/ds4/MN1280__J_discon.pdf