秋月テスタの APO 解除方法と AC電源対応改造(02)

前記事はこちら→「01」。
で、早速続き。秋月電子のポケットテスタは しかるべきボタンを押しながら電源を入れるとオートパワーオフ(APO)が解除できる、ならば AC 外部電源を使えるよう改造してしまおう、という話。


なお、以下、いろいろやっているが、当ブログの内容を見てなにかする場合は全て自己責任で。事故・損害等に関し、当方は一切関知しない。


普通のポケットテスタは言うに及ばず、世の中の大概のテスタには DCジャックを追加設置する隙間など無い。しかし、秋月のテスタの場合は、横にケーブル収納スペースがある。ここのすみっこに DCジャックを押し込むことは可能なのではないか。
採寸してみると、ギリギリいけそうな雰囲気。ならばやってしまおう。


ここで注意すべき点がひとつ。DC ジャックには端子が 2つのものと、3つのものがある。今回使用できるのは 端子が 3つのもの、つまり、ジャックに切り替えスイッチが内蔵されているものである。電源を監視して、アダプタからの供給があった場合に電池からの電力をカットするような回路が組めればいいのだが、残念ながらさしあたりそういうのをぱっと頭の中に構成できる知識も技術も無い。テスタの中のスペースだってそうゆとりがあるわけではない。単純に 3V の ACアダプタを使用して外部電源とする場合、電池からの電力を機械的にカットしてやる必要がある。そうでなければ、外部電源を導入する意味が半減する。勿論、別に切り替えスイッチをつけてやればいいのだが、それはスマートではないので今回はやりたくない。3端子の DCジャックを使用すれば、切り替えは簡単に実現できる。

今回はネジ固定式のもののうち、できるだけコンパクトそうなものを選んだ。千石電商本店 2階にて。(後でわかったが、ネジ固定にこだわりさえしなければ、最も一般的な基板付け DCジャックもサイズがそう変わらなかった。)

【後日追記】
電源切り替えに関しては、P-ch MOSFET を使用すればいいということが後でわかった。後述の、電池電源の流れ込み対策も FET でいけるようだ。これなら USB mini-B コネクタや PHコネクタなども使用可能なので、電源入力部をコンパクトにできる。今度そういう何かをやるときには、是非試してみよう。
参考:http://blogs.yahoo.co.jp/gomisai/24326651.html *1

FET + ダイオード で構成する回路例も見つかった。
参考:http://www.picfun.com/usb20/usb2003.html
あるいは、オペアンプかコンパレータで、という手も使えるかもしれない。(勿論、面実装タイプの超小型電磁リレーを用いてもいいとは思う…が、2c のものだとどうしても 5mm より背高になる…。)

あとは線材と工具があれば準備万端である。さて、分解分解。最初の餌食となるのはすぐ手許にある P-16 。

ネジは、電池蓋 1本、本体四隅で 4本。電池蓋を外したところにも 1本あるから慌ててはいけない。なお、4本のネジはタッピングビスなので何度も締めたり緩めたりすると効かなくなる。あと、電池蓋用のネジはサイズ等 他の 4本とよく似ているので、再組み立ての際に間違えないように注意が必要。
がぱっと外す。

底面(画像右側)の圧電スピーカは、固定されていない。はまっているだけなので簡単に外れる。アース用の銀紙も置かれているだけ。分解に際してこれほど余裕な機器も珍しい、というほど、簡単。
なお、銀紙は裏返し状態で正解のようである。基板の上のほうについているスプリングが銀紙の上のほう、折り返し部分の銀面で接触し、アースの役割を果たす。なお、この銀紙は P-10 には無い。
基板を外すには、ロータリースイッチの軸(画像で言うと白丸の中心部分)をちょんとつまんでやればよい。これで外れる。ネジ止め等はされていない。外した後、ボタンのパーツを紛失しないように注意。(正直それぐらいしか注意する点が無い。)
で、ケース加工の前にひと作業。秋月テスタのケーブル収納スペースは結構ぎちぎちで、普通の状態でもうまく押し込まないと蓋が閉まらなかったりする。ここに DCジャックがお邪魔するとなると、そのままではケーブル格納は到底不可能になる。別にケーブル格納なんてもう 2度としないよ、でもいいのだが(普通はそうしてください)、収めたいのなら何とかしなければならない。…簡単な方法がひとつ。ケーブルを短くしてしまえばよい。私の場合、どうせみの虫クリップケーブルやらジャンパ線やら、テストケーブルをついで使用することがほとんどなので、ケーブルの長さは必要ない。思い切って半分ぐらいにする。テスタのケーブルは結構太いので、これで格納は俄然余裕になる。

機器にもともと付いているケーブルを切るのって何度やっても緊張する。
切って余ったケーブルはあとでテストケーブル作成にでも使うとしよう。
テストケーブルは基板に半田付けされているので、外して、付け直すだけ。

なお、いっそのことテストリードを着脱式にしてしまうという手もある。極小のピンソケットとプラグ(テストピン)は千石電商で入手できる。先端形状の異なるテストリードをいくつか自作してもいいかもしれないし、市販品を流用するのもよさげ。直付けのリードより断線しにくくもなるだろう。(ただし、紛失しやすくはなる。)
実際にやっている web 記事があったので、御紹介しておく。
がた老AVR研究所:http://gataro-avr-ken.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/h83069-lan-c270.html


次はケースの加工。DCジャックが顔を出す「穴」を開けてやらなければならない。
続きは…→「03」

*1:またはこちら(同内容):http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-47.html