2SC1815 の代替を再度真面目に考える

…が、やはり結論は出ませんでした。てへぺろ☆(・ω<)


よく見れば読めます!


いろいろ書き散らかしてしまっておりますが、当ブログにおける「2SC1815 の代替に関するまとめ」としては、

このへんを見ていただくのがよろしいかと思われます。読みにくくて誠にすみませんが、お願いいたします。m(_ _)m

冗談と余談はさておき、2012/05/28 に新しいトランジスタ本が出まして。

合点!トランジスタ回路超入門 (エレ基礎シリーズ)

合点!トランジスタ回路超入門 (エレ基礎シリーズ)

私もトランジスタの勉強をしなければならないな…というわけで、これはよい教科書。…なのですが、とりあえず読むのは巻末の Appendix-B :「2SC1815 の代替部品は何がよいか」(pp.248-250)です。なにはさておき、おまけにかじりつきます(ぉぃ)。
ポイントとしては、2SC1815 の代替をちゃんと電気的特性面から考えているというところ。そして、データシート上の比較も基準値を揃え、更に実測による検証も加えられている。
…して、その結論は…? 知りたい方は、本を買って読んでください、というわけで、営業妨害するわけにもいきませんのでここに(テキストで)型番を書くのは控えておきます。


ただし、熾火研究所的には、この書籍で挙げられていた石は「選外」です。(言うだけ言っておいて否定かよ…てな話ではありますが…。)理由は「入手性」と「不明快さ」。確かに「秋葉原の主要パーツショップのどこかしらで店頭購入できる」という基準は一応クリアしていますが、コンプリメンタリ・ペアが手に入りません。あと、同シリーズの型番展開はいまいち理解し難い。どうなってるのか、よくわかりません。要は「これが無かった場合、「隣の型番」でもいいのか?」とか言い出すと、キリがない(=「定番」としては非常に弱い)。
というわけなので、熾火研究所的には、現状おすすめできません。…確かに特性面からするとドンピシャなのでしょうけど…。
あと、足配列にも要注意!です。顔正面から ECB(えくぼ)でないのは勿論ですが、海外で最も普通とされる EBC でもありません、「CBE 配列」…です。
(別に 2N2222A が早々に選外指定されていたからの恨み節ではあリませんよ。 2SC1815 の代替に 2N2222A というのに土台無理があることぐらいは先刻承知です。コレクタ電流からしても「違うクラス」の石です。それでも当研究所で敢えて 2N2222A を推しているのは、メタルキャンパッケージの美しさ(所有的価値)と熱的耐久性*1などからです。)


さて、あとは一般論。書籍の記事中にもあるとおり、トランジスタの使われ方からして、「普通のバイポーラトランジスタを音声周波数程度の帯域で使う限り、別の石を使ったぐらいで動作が変わってしまうのはむしろ回路設計が悪い」ということなので、実際、あんまり恐れることはないと思います。
たとえば、トランジスタ 1石を使用した増幅回路では、増幅特性(HFE)めいっぱいで仕事させるような設計は通常せず、抵抗で制限してたとえば 5倍とか 20倍とかの増幅率で使用したりするわけです。そうした回路においては、よほど耐圧が低いであるとか、周波数特性が悪いであるとかでない限り、別の石に置き換えても支障がないというわけです。
勿論、用途によってはこうしたことがすべて当てはまるわけではありませんし、それ以上の仕様が要求される世界の話であれば、それはもう定番の石がどうこうという話ではなくなってくることが容易に想像されますので、実力に応じた回路設計を各自すべきなのでしょう。


というわけで、やっぱり結論は出ません。当面は、 2SC1815 を使っておくのでいいと思います。2012年6月現在、まだ、充分売ってます。 ヽ(´ー`)ノ

おまけ

千石電商では、海外オーディオ製品の修理などのニーズからなのか、洋モノのトランジスタが比較的豊富なようです。

高所恐怖症の人を徒らに刺激する画像をつい貼ってみたくなっただけですすみません。m(_ _)m

そしてやってきた

2013年、秋月電子の最終解答がこれだ。(大上段に振りかざしてみた)

*1:これはたぶん樹脂パッケージと比較して相当に良好で、実際、私が回路を間違えて数時間過熱させてしまった 2N2222A はその後も特に問題なく動作し続けた。