【3分でわかる?】全く意味が判らない人のための「『ヤシマ作戦』ってなに?」

※ 本エントリは主に 2011/03/15 頃時点までの情報で書かれています

Twitter ユーザーの皆様へ:
ヤシマ作戦」推奨ハッシュタグは「 #84MA」。
被災地の方々の情報検索等の阻害にならないよう、「#jishin」等のタグは使用しないことをおすすめします。


主に、ヤシマ作戦」って言葉がなんか急に広まってニヤニヤしてる人がいっぱいいるっぽくってなんかキモいんだけど、どういうことなの?! …というかたに向けて、 Twitter で流れてきた情報を中心にまとめました。


電子工作とは関係ない話題ですが、便宜上ここに置いておきます。
…って、書いてみたけど 3分では全部読むの無理でした… リンク先もすべて読む場合は 10分ぐらい御用意ください。



Twitter みていたら「ヤシマ作戦」の一言で「…あなたは死なないわ。私が守るもの。」という按配で全てを理解する人もいるいっぽうで「なにそれ(゚д゚)」状態の人も大勢いらっしゃるようであることがわかった。…そりゃそうですよね。まあ、「ヤシマ作戦」でぐぐればだいたいのことはわかるわけですが、折角なので軽くまとめておくことにします。主に参照リンク中心で。 他にもいい情報もあったような気がしますが、とりあえず。

とても忙しい方はこれだけ見ればだいたいわかる。

というか基本これだけでいい気もする マトメイラナイジャン …γ-Orz


そもそも「ヤシマ作戦」とは

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の中に出てくる「第五使徒ラミエル*1」殲滅作戦のこと。TV 版では第6話のエピソード。
概要としては、敵である「使徒」の射程圏外からポジトロンライフル(陽電子砲)による超長距離射撃を実施するために日本全土を停電とし全電力を一撃に全投入するという、甚だ無茶にして非常に燃える展開。

そして有名なこの BGM 。


名称の由来は本編中では明らかにされていないが、ライナーノーツや映画版の科白などなどからすると、平家物語屋島の戦い」(那須与一による扇の曲芸級射的のエピソード)及び「大八洲」(おおやしま;日本の美称)の含意(ダブルミーニング)があると考えられる。

地震に伴う電力不足と、停電の危惧、およびその対応について

「2011東北地方太平洋沖地震」(2011/03/11)は、インフラにも深刻な影響を残した(残している)。
電源インフラに関しては、原発のみならず、火力発電所地震の影響で一部操業停止している。このため、東京電力などから節電の呼びかけが記者会見及びニュースリリースとして出された。

東電が電力不足 管内で停電の可能性 発電所停止相次ぐ

2011年3月12日11時43分

 東京電力は、東日本大震災発電所の停止が相次いでいるため、12日夕刻に電力供給が需要に追いつかなくなる、との見通しを発表した。節電を呼びかけるなどの対策をとるが、管内の一部地域が停電になる可能性がある。さらに13日以降は供給不足が進み、1軒につき約3時間の停電になる地域が出る恐れもある。
 東電管内では12日、電灯・暖房需要が増える午後6〜7時の予想需要が3800万キロワット。これに対し、同時刻に供給できる電力は3700万キロワットで、100万キロワット足りなくなるという。約33万世帯分にあたる。
 12日は揚水発電所に蓄えた水を使って発電できるが、13日以降はさらに供給力が3100万キロワットまで落ち込む見込みで、地域ごとに順番に停電する「輪番停電」に踏み切る可能性もあるとしている。この場合、停電時間は1軒につき約3時間になり、病院なども停電になる恐れがあるという。
 電力会社は供給力が足りなくなると、他の電力会社から電力を買って賄う。しかし、東電が供給する周波数50ヘルツの電力を発電しているのは、東電からみて被災地方面の東北電力北海道電力だけなので、融通は期待できない。
 今回、東京電力は周波数60ヘルツの中部電力から計100万キロワットを融通してもらう。ただ、静岡県などにある周波数変換施設で60ヘルツから50ヘルツに変換しなければならない。同施設の変換能力の小ささから、融通量は限られる。

そして Twitter が動いた。

節電の呼びかけに応じてネット上では各自が各自さまざまに「電気を消そう」であるとか「時差炊飯しようよ」など、今できることをせずにおれぬ感に満ち満ちた意見を飛ばしていたわけだが、しばらくして、(おそらく)複数の人物から同時多発的に出たのが「ヤシマ作戦」という単語。

「節電お願いします!」じゃなくて「18時からヤシマ作戦です!」って報道すれば日本人の半分は納得して電気を使わなくなるはずだ。きっと。

http://twitter.com/hikaken/status/46432881656078336

たぶんこれ↑がかなり最初のほうの発言。
ここから急激に「ヤシマ作戦」という呼称が広まった。

その後の流れ

有志によって、サイトもできた。

「公式」ではない。(※ 3/13 時点では「連絡済み」とのことだが「公認」ではない)
あと、あれだ、特務機関ネルフって、ほんとは非公開組織だから「広報」って無いんだよね…いや、いいんですけど。※映画版(新劇場版)ではミサトさんによる「本部広報部宛に届いていた伝言よ」という科白があるし繁華街の看板に「ネルフカード使えます」の文字があったりするので、非公開組織ではないらしいです。
…と思っていたら、ヱヴァンゲリヲン2.0 公式ブログから「事実上の半公認」が、出た(2011/03/13)。

結果考察・および今後の流れ等

結果だけを言うと、12日(土)及び 13日(日)の停電は回避された。
勿論、これが「ヤシマ作戦」の呼びかけによるもの「のみ」ではないし、どの程度奏功したかもわからない。「作戦」など全く無関係に節電を心掛けた人も多かったようだし、露骨に嫌悪感を示す反応もネット上では見られた。
ただし、結果だけを言えば、12日(土)及び 13日(日)の停電は回避された。

節電(ヤシマ)作戦は、超大成功だったもよう。水力発電分の水が1日分、浮いたそうです。 これを1週間できたら日本人の連携は、もはや神レベル。

http://twitter.com/Yojivoix/status/46584377467080704

上記 tweet のソースは未確認だが、どうやらラジオでそのような内容が放送されていたらしい。




残念ながら、通常の生産活動が開始される平日にあたる 14日(月)以降は「輪番停電」やむなし、という状況らしい(※ 2011/03/13 夕刻時点情報)。

14日から輪番停電、東電が夕方に記者会見

 東京電力は、福島第一、第二原子力発電所の停止などによる電力不足対策として、14日から行う予定の「輪番停電」について、13日夕方にも記者会見する予定だ。
 停電の対象となる地域など、詳細を説明する。東電では、企業や一般家庭などに節電を呼びかけている。
 輪番停電は、全体の電力供給量を抑えるため、地域ごとに一定時間、電力供給を止める措置。一度に500万キロ・ワット、一般家庭で約150万世帯分ほどの地域を対象に、約3時間ずつ、地域を変えて停電させる方向で検討している。この時期は、特に気温が低くなる夕方に暖房向けの電力需要が増えるため、この時間帯を中心に輪番停電が行われる可能性が高い。
 東電は、地震で停止している一部火力発電所が再稼働するまで、少なくとも1週間程度、輪番停電を行う必要があるとみている。
 14日からは、企業活動が再開され、電力需要が高まるため、大口需要家である大企業の工場などにも、節電や供給停止を求めている。
(2011年3月13日10時53分 読売新聞)

英語による説明・その他

海外のかたへの説明用に。via Twitter


海外の反応としてはこんなものも

さっき一瞬スカイプ上がったら海外のオタ仲間から「ヤシマ作戦あと何分?」って聞かれた。東電地域以外関係ないよって答えたら「日本人は東電地域でもないのに参加するんだろ?仲間外れ実によくない」って。このヤシマ作戦、海外のオタ勢も注目してるみたいだ。成功させないとな。
2011/03/11/23:42GMT

https://twitter.com/aconitine_NEO/status/46491135748739072


そして、
ヤシマ作戦」とは直接の関連はないが、節電を呼びかけるポスター*2

素敵すぎる。…すみませんこれ何度見ても泣いてしまう。*3


追記

これはよいまとめ。

*1:新劇場版「序」では「第6の使徒」として登場。映画後半のクライマックス。

*2:これらのキャッチコピーのうち一部表現に対して「節電したぶんの電力が被災地に行くわけではない。勘違いを誘発する」という批判もある点には御注意ください。

*3:後日追記:(余談)やはり震災直後はかなり特殊な心理状態にあったことが、こうした記述からもうかがえる。