ダイオードは並列 Array にしても意味が無い(らしい)

意味が無いどころか、どうかするととんでもない悪さをする可能性も。

以前、電池電力のレギュレータ回路への逆流防止用にダイオードを使いたいが、手持ちには低ドロップの(順電圧(Vf)の小さい)ものがなかったので、なんとかならんかと思い多数のダイオードを並列に繋いでみたのがこれ。 1N4148 (Fairchild)を 5本。
実装してみると、とりあえずは順調に動いている…かに見えたのだが、ちょっと大きな電圧(定格 3V のところに 12V)をレギュレータ側から投入したところ、装置(テスタ)の表示が音もなく消え、いっさい応答しなくなった。(通常、音はしないわけだが、ぷちっともぽんっとも言わず、異臭も伴わず、という意味合い。)
私の記憶が確かならば、ダイオードを挟む前には多少高い電圧をかけても問題なかったはずだ。つまり、ダイオードを入れたことにより、装置が死亡したとしか言いようがない。しかし、いろいろ考え、調べたが、結局理由がわからず、とにかくレギュレータ回路をあっさりパスして過電流か過電圧が装置に流入してしまったのだろうということのみ。
深夜だったので、多少うわついていたのかもしれない。今考えれば、ダイオードを並列に繋げば降下電圧が本当に低く抑えられるのかどうかなんて、測定してみればすぐにわかるはずだ。そもそも、そんなことで超低ドロップダイオードが作れるのだったら、誰しもが既にそうしているに違いない。世の中にそういう製品が出ていないということは、そうやっても駄目だ、という意味である。
遅れ馳せながら、この無様な array をテスタで測定してみると、案の定 Vf は 0.5V 強ある。1N4148 の Vf は大体 0.65V とかそのへんのようなので、想像ではあるが、恐らく 5本繋いだダイオードのうち もっとも低い降下ルート が 0.5 なにがしとかいうことか、あるいは、並列だから単純に分流されて低電流で試験しているのと同じことになっているか、どちらかだろう。
結論、ダイオードを並列にしても、低ドロップダイオードとして機能はしない。少々高い授業料を払った。


ただし、異なる種類のダイオード(例えば 1SS108 と1S10 )を並列に接続することによって、電流条件が変わった際に よりドロップの小さいほうのダイオードを経由してくれる(例えば 数mA 以下のときは 1SS108 が効き、それより大電流になったときは 1S10 が効く、みたいな)「複合ダイオード」を構成することは可能なのかもしれない。(参考:http://piroping.cocolog-nifty.com/ping/2005/10/_4_35b2.html
…いや、わからない。定電流装置(回路)をまだ作成していないので、手許にダイオードはあるけど、実験はできずにいる。


ともかく、電気の基礎を学んだ人にとっては当たり前すぎて溜息も、鼻で笑うほどの鼻息も出ないような話なのかもしれないが、私はそういうの好きだ好きだ言ってる割に基礎が全くないのでいちいち躓くのである。電圧とか電流が回路から直感的に把握できない。


あと、その後結局いくつかのダイオードを入手したりしたのだが、秋月で入手したこのダイオードはどうやらカタログスペック以上に低ドロップなようだ。

後日、上記関連のテスタ改造記事のなかでレポートするかもしれない。
秋月では常時入荷品ではないので、なくなっていたらごめんなさい。m(_ _)m