どうする、どうなる、2SC1815



前記事はこちら。




ざっくり書いておくと、

  • 2SC1815 に限らず、東芝はじめ国内各社の TO-92 (要するに 5mm ぐらいのカマボコ型・樹脂製)パッケージのトランジスタや FET は、今後新規に生産(改めて増産)されることはないだろう。
  • 後継とされる 2SC2458 も NRND (※ 新規設計非推奨)
  • 流通在庫の量を考えれば、今後数年〜10年超?くらいはホビーユース程度の供給が絶たれる心配はないんじゃないか(っていうか、どうせみんな買い置きしてるだろ?ぐらいの)
  • でも、その後の代替品は「ない」。
    • 少なくともメーカーは代替品を挙げていない
    • 面実装品なら代替(純正互換)はいろいろある。
Package NPN PNP
- TO-92 2SC1815 2SC1015
SC-59 TO-236
SOT-346
2SC2712 2SA1162
SC-70 SOT-323 2SC4116 2SA1586
SC-75 SOT-416 2SC4738 2SA1832
SC-105AA SOT-723
VESM
2SC6026MFV 2SA2154MFV

      ※ 全て東芝製。  ※ 下に行くほど小さい。

  • 海外のセカンドソースに若干の期待あり。
    • ただし、2SC372 - 495 - 828 - 945 からの系譜の中でも素晴らしいとされている(らしい)1815 の性能面までコピーされているのかどうかは、よく知らない。
      • とか言いつつ、そこまでの性能を期待して C1815 を使用しているケースがどれほどあるか。「NPN トランジスタなら何でもよかった。今もちゃんとスイッチングしている。」とかいう用途に耐圧以外の性能を期待する必要があるのか。
        • (以下延々とループ)
  • ともかく当面は心配なさげ。…とはいえ、時代の流れだなぁ。

てなあたり。



でもって、早速 面実装で遊んでみた、とかそういうようなのをやったら、追記します。

というわけでまずは遊んでる場合じゃない追記

暫定結論としては、TO-92 を使用しないで電子工作をするならば、基本、 SC-59 パッケージの面実装トランジスタを採用し、ブレッドボードなどを使用するプロトタイピングには秋月の変換基板を使ってテストチップを作る。…こんなとこでしょうか。


とりあえずいろいろ試してみたのでその経過など。
秋月からは微小ピッチの面実装パーツを 2.54mm (100mil)ピッチに変換する基板が様々出ていますが、今回使えそうなのはそのうち 3種類。



で、こんな感じで半田付け作業中。今回は妥協して鉛半田使用。
写真右側の 2つ、真ん中の「足」はスルーホールのほうに付けていますので、半田付け手順は工夫したほうがよいかもしれません。
基板を使わず、オス-オスタイプの丸ピンヘッダを曲げて、チップを載せて半田付けしたものも作ってみました。写真中央あたり。もっと大変かと思ったけど、意外と難しくはなかった。これはこれでアリかも。
下のほうの 2つは以前作った、チップ JFET プロトタイパー。2.54mm ピッチの万能基板使用。SC-59 パッケージならこれでもまあ大丈夫。


で、切り出すと、こんなです。

…端的に言って、SC-70 パッケージは無理がありました。これは相当に厳しい。かなり後悔してる。
反面、SC-59 パッケージならいくつか(何パターンか)やりようがあることも判りました。なかでもスマートだと思われるのが、最初のところに書いたように、SOT23 変換基板(の半分)を使用し、L型ピンヘッダを付ける方法(写真中央)。これなら、¥150 の変換基板で 20個ぶん作れるし、さほど難しくもない。基板の裏側にチップ名とかも書いておける。足の順番も(何も考えずにつくっているように見せかけて、実は)ツラを向けて左から「ECB」の順序に、ちゃんとなってたりする。いろんな意味で「許せる範囲」に収まっている、といったところ。


まあしかし、秋月変換基板もほんのちょっとフットプリントを変則的(縦長)にしておいてくれればもっと楽に応用できるものになったのだけどな、なんてことも思いましたがそれは流石に。



それにしても! なんだ!この手間! …という感はどうしても拭えません。
これはホビーエレクトロニクスのかつてない危機、と言ってしまっても、よいかもしれません。果たしてこの先、どうなるのやら。



知らん顔して 2SC1815 使い続けるのが案外、一番かもしれないという気がしてきました!


で、続きはこちら。