もういっそのこと… で、『ブレッドボードシールド作ってみた』
なんか見覚えのあるものの一部が貼ってあるような気がしますがたぶん気の所為です。
…だって原寸大だからそのまま使えたんですもの…つい…
というわけで、Arduino であれこれ遊んでみるには非常に有益な、プロトシールド(通称「バニラ*1」。既製品を買ってもいいし、自作してもいい(→ 前記事)。
更にここにブレッドボードを乗っければ、半田付けもいらない。半田付けするよりもっと前のテスト段階の回路組みも気軽にできる。Arduino と「亀の子状態」にしてブレッドボードを一体化していれば、そのまま持ち運ぶにも便利だし、電源ラインも より安心、なにより長いワイヤーを空中で引き回さなくていいのが素晴らしい。
こんな感じ。
…ん?
これって基板要らなくね?
なんということでしょう! ブレッドボードの巾が、Arduino のピンソケットの間に、ちょうど収まる寸法なのです!(※正確には、わずかに遊びが出るくらい。)
だったら、ブレッドボードに「連結ソケット」を接着してしまえばいいじゃないですか!
というわけで、早速、製作。試作はそこそこうまくいった。こんな感じ。
これは、思ったよりいいかもしれない。問題は耐久性だが、あんまり接着剤が効かないのかと思われたブレッドボードのフレームが意外にもよい喰い付きをみせているようで(たぶんスチロール樹脂)、問題ないのかもしれない。
というわけで、以下、作り方を簡単に。
まずは、材料。
使えるブレッドボードは結構あるが、限られているのも事実。長辺または短辺が 45mm 程度のサイズになるものが使用可能。(一部そうでないものも使用可能。(下述))
これが使用可能な中で一番安価に入手可能と思われるもの。執筆現在で¥150。
- http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?code=7DBC-SCKW
- http://www.switch-science.com/products/detail.php?product_id=63
- http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02727/
この「超小型ブレッドボード」は、長辺が約45mmなので、使える。ただし、ピンソケットが大幅にはみ出すので、あまり適さない。2個使いだと、いけるかもしれないが、俄然強度に不安が残る。このサイズはプロトシールドと組み合わせて使うほうが有効かもしれない。
逆にこれらはちょっと長すぎるので安定しない。穴数が多いので、目的次第では便利には違いないが。
秋月では現時点で¥400。
因みに千石の超激安と銘打たれている「これ」*2は巾があわないので、今回の方法では、使えない。
- http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?code=2DNJ-U3FL
- http://www.switch-science.com/products/detail.php?product_id=269
- http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00315/
で、今回使用したのがこのタイプ。秋月のものが¥250。千石とスイッチサイエンスで扱っている SparkFun のもの(透明タイプ)が¥580。
本来、巾はあわないのだが、このブレッドボード、両脇の電源ラインが着脱可能になっている。で、片側を外すと、丁度いい巾になる。
外し方は簡単で、裏のスポンジ両面テープをミゾに沿ってカッターナイフでぴーっとやって切断し、あとはポロッともぎ取るだけ。
(ウワモノはあんまり気にしないで頂けたらと。)
どっちを外して、どっちを残しても構わないが、 Arduino の電源ピンの位置とブレッドボードの連結タブの位置を考えると、だいたい決まってくるだろう。
大事な材料を忘れていた。連結ソケット。
(あ、これ、MTM04 の会場で買ったやつだ。どうでもいいけど。)
基板をスタック接続する際などに使用する足長のピンソケット、1×6 と 1×8 がそれぞれ 2個ずつ入ったセット。つまり pure Arduino 仕様。価格は ¥210 くらい。
千石電商でも、店頭では販売している。*3
この「連結ソケット」は残念ながら 2010/05 現在 秋月電子では 2列(デュアルライン)のものしか扱っていない。欲しいのは 1列(シングルライン)のもの。勿論、2列でも使えないことはないが、加工が結構大変だし、無駄になる部分がとにかく多い。↑専用のセットは「若干」割高だが、加工の手間がかからないし、そもそも他をあたってもシングルライン連結ピンを扱っているところ、どうやらなさげ。
【後日追記】 秋月でも 1×6 と 1×8 の連結(足長)タイプ ピンソケットの扱いが始まりました(2010/07/29〜)。
また、苺リナでもいつの間にか(というかそこそこ前からのようですけどね)扱いを開始していました。
こういう部品の扱い対応とか商品寿命(サイクル)とかは時として異常に速いので、Web の情報は書く側も読む側も「Up-to-date かどうか」に砕心する必要がありますね。ほんとうに。
あとは、瞬間接着剤かエポキシ系接着剤を用意。 できれば超速乾型のエポキシを。
組み立て、
といっても、接着するだけである。Arduino に連結ソケットを差し込んで、接着剤を塗り、ブレッドボードを固定して固まるまで待つ。それだけ。接着剤はつけすぎるとはみ出してソケットやブレッドボードの端子穴を塞いでしまうので、気を付ける。最初は少量だけで固定し、あとから 2度塗りで盛ったほうがいいかもしれない。(この場合も穴には入らないよう留意する。)
ひとつ、ポイントとしては、「ちょうどの寸法」とは言ってもブレッドボードとソケットの間にはコンマ何ミリかの隙間ができる。これを接着の際に詰めることになるから、固定(保定)はしなくてはならない。とりわけエポキシを使用する場合、テープ等で仮止めしてもいいが、気がついたらずれて固まってしまっていた、ソケット穴が塞がっていた、はみ出した接着剤が垂れていた、…というようなことが無いように気を付けたいところである。
また、本体のソケットを破損しないよう気を付けるのは、言うまでもない。
といった次第で、接着剤が固まれば、完成。
Arduino Duemilanove にセットすると、こうなる。短いジャンパワイヤー 2本は電源ラインを接続したもので、5V と 3.3V を切り替える必要がある場合以外は最初から(最後まで)はめたままで構わないであろう。
ブレッドボード上に印字してある数字は紛らわしいのでカッターナイフ等で軽く削って消してしまうほうがいいかもしれません。
で、例によって例の如く、同じスケッチでお茶を濁す。4連「Lチカ*4」。
実際は4個の LED が順に点灯し、順に消灯してゆくのだが、動画撮影と掲載が面倒だったので簡略に。
という感じで、
この「ブレッドボードシールド」があれば「Arduino でほんのちょっとなんかやってみよう」が格段に手軽になること請け合い。「布教活動」にも一役買うだろう。接着作業の腕におぼえのあるかたは、是非、1個作っておくことをお薦めする。
なお、耐久性等については、なにか問題が生じ次第、追記していくようにしたいと考えている。
追記:14連LEDやってみた
TXD、RXD も一切無視!デジタルポートぶち抜きで点滅させてみる*5。
LED は角形(板状)を使用したので、100mil(2.54mm)ピッチでも干渉せず収まる♥
スケッチは、前に書いて上で流用したもの 最初のたった2箇所を書き換えるだけで完了!まさに「こんなこともあろうかと!」
// LED_Array_TEST001 // // 20100116 20100505 OkibiWorksLabo const int pin0 = 0; // LEDをつなぐポート番号の先頭 const int pin1 = 13; // LEDをつなぐポート番号の終端 int i; int j; void setup() { for(i = pin0; i <= pin1; i++) { pinMode(i, OUTPUT); } } void loop() { for(j = 0; j <= 1; j++) { for(i = pin0; i <= pin1; i++) { if(j == 0) { digitalWrite(i, HIGH); } else { digitalWrite(i, LOW); } delay(100); } delay(400); } }
あ、一応念の為に言っておくと、スケッチの Upload の際は 0番と 1番の LED を外しておかないと多分 Upload 失敗するよ。気をつけてね!
因みに抵抗は 100Ωを 2個ずつ直列。VfLED(Typ) = 3.1V なので IfLED = 8〜9mA ぐらい*6。
これをプロトシールドでやったとすると、80箇所以上の半田付けが必要になるわけで、ブレッドボードの面目躍如といったところ。また、ブレッドボードの利点として、GND を素早く大量に用意できるというところがあって、Arduino 単体(Arduino に直挿し)でやった場合 流石に 14本分の GND は簡単には用意できない。
いろいろ遊べそう。
【追記】 Behinduino のほうが、凄かった(笑)
もうなんか説明不要かもしれない。ブレッドボードのほうに Arduino を仕込んでしまえ、という。 「ネタ工作」の世界には、常に「上には上」がいる。
MAKE:Japan 経由で本家 MAKEZINE にも紹介されている。
- http://jp.makezine.com/blog/2010/05/behinduino.html
- http://blog.makezine.com/archive/2010/05/behinduino.html
流石。
*1:何故「バニラ」なのかは知らない。
【後日追記】…知らなかった。のだが、元々は海外のネトゲ用語だったということが判明。日本では TCG 界隈でよく使われているらしい。
cf.
*2:秋月で売ってるのより高いじゃん、みたいなツッコミは禁止らしい。
*3:あ、あと、若松通商でも売ってると思います、…たぶん。若松あんまり行かないんで知らないだけです。すみません。 m(_ _)m
*4:「LED チカチカ」の略で、文字通り LED を点灯させたり、消灯させたりすること。「フィジカルコンピューティング業界(メカトロ界隈)の『Hello World』」と言われている。ま、ここを読んでいただいている人にはイマサラな説明だと思うが。
*5:「LED を大量に付けたり消したりするんなら、TLC5940NT 使用 Arduino用LED点滅制御シールドを使うべき」という向きもあるとは思う。たしかにそうだけど、それはそれとして、まずは地道な方法でやっておいてからその先に進みたい、という、そういう考え方もある。LED 制御ひとつとっても様々な方法があって、それをいろいろ試してみるのも、楽しみ方のひとつだから。
*6:Arduino に USB から電源供給した場合、デジタルポートにはどうやらカリカリの 5.0V は来てないっぽい。実測だと… 4.6V くらい??