秋月テスタの APO 解除方法と AC電源対応改造(03)

前記事はこちら→「01」「02」。

秋月電子のポケットテスタは しかるべきボタンを押しながら電源を入れるとオートパワーオフ(APO)が解除できる、ならば、連続使用を想定して AC 外部電源を使えるよう改造してしまおう、という話で、ひとまずばらすことまで進んでいる(って、これだけ読めば前記事読む必要ないな! orz)。


なお、以下、いろいろやっているが、当ブログの内容を見てなにかする場合は全て自己責任で。事故・損害等に関し、当方は一切関知しない。怪我や火傷等には各自充分注意してください。


ケースの加工に移る。DC ジャックをネジ式のものと選定してはみたものの、寸法的には 11mmφ の丸穴をあけるだけの余裕は無い。U字型の切り欠きにしてはめ込み、ネジを締めて固定、というかたちになる。実際、どこがどう当たる(干渉する)かはやってみないとわからないので、現物あわせで加工してゆく。

マジックでごく大まかに「けがく」。大まかで全然平気。どうせ、追加で結構削らなくてはいけなくなるのは目に見えているのだから。割ったり、手を怪我したりしないよう気を付けさえすればよい。
加工の方針としては、ネジ径である 11mmφ を目標の目安として、中心部分に錐で削孔し、テーパーリーマーで拡げ、実物をはめて合わせながらカッターナイフとヤスリで調整してゆく。しばらく根性の作業が続く。
(以下、少々画像が多く鬱陶しいかもしれませんが、適当に流し読みしてください。)

テーパーリーマーで大まかに穴を開けたところ。ケースのプラスチックはやわらかいので、あっという間に開いてしまう。リーマーは正確な穴開けをできる道具ではないので、そこは割り切って、程々のところでやめておく。また、力の加減でもって穴位置を微調整しながら削ることも可能。

カッターとヤスリで修正を加えつつ拡張。リーマーのカットは斜めになっているので、そこも見越して、現物(ここでは DC ジャック)を当てては削り、削っては当てて、で調整しながら。

【割と重要な追記】
後でわかったことなのだが、この秋月テスタは、自分の電源のマイナスとテストリードの GND (黒)が短絡すると、電源が落ちる。画像で判るように、マイナス端子が外部と接触可能な形で露出するタイプの DCジャックは、使用しないほうが無難だったようだ。
普通に使用している限りは問題はないが、何かの機器の測定をしている際に、その機器の筐体が GND に落ちている場合があり、そうした場合にこの DCジャックの口と対象機器の金属部分が接触するといきなりテスタの電源が落ちることになる。
これが嫌な場合は(好きな人がいるのかっていう話だが)、口金の部分に接着材などを盛って絶縁するか、若しくは、こういったタイプの DCジャックを最初から使用しないことである。
いちばんオーソドックスなタイプの DCジャック(ジャックのボディが黒いプラ製)のものを使用した場合、こうした心配は無い。


ここで、ケースのなかの突起部が干渉していることに気付く。カッターの先や、ヤスリの先端など、使える道具を総動員して地味に削り取る。もう少し硬いプラスチックであればリューターとダイヤモンドビットが非常に有効なのだが、逆にやわらか過ぎる為、かえって削れなかった。…で、調子に乗ってゴリゴリやっているうちに

穴が開いてしまう。幸いにしてこの部分は電池蓋の影に隠れる場所なので外面上はセーフ。いっそのこと、綺麗に抜いてしまってもよいかもしれない。が、ここはこのへんでやめておく。

ようやくジャックが収まるだけの切り込みを確保できた。…といいつつ、実際はジャックのほうも余分な突起を削り、なんとか収まっている状態。
因みに右側に見切れているのは、彫刻刀の最高傑作(と言っても過言ではない)「パワーグリップ」シリーズの平刃。超久々に取り出して使用。もっとも、今回は大して活躍しなかったが。

丁度のところで、蓋も閉まる。
しかしこのままでは、ネジ(ナット)がはみ出している為に、電池蓋がはまらなくなってしまっている。そこで、電池蓋を削る。

やわらかいプラスチックをカッターナイフで加工するときのテクニックをひとつ。いきなりざっくりやろうとすると、割れてしまったり、勢い余ってとんでもないところまで切ってしまったりする。怪我の元でもある。そこで、できるだけ薄く、ミルフィーユ状態に何回か刃を入れる。(画像中、反り返った部分。)

大体のところまでいったら、根元のところに刃を入れる。ざくざくざくっと切れる。あとはこれを必要なだけ繰り返し、整える。安全だし、削りすぎる心配が少ない。


さて、ケースに部品が収まるとなれば、あとは配線である。
「04」に続く。