エアカウンターS におあつらえ向きの袋を見つけてきたよ

忙しい方へ:「クリスタルパック S3.5-22」を使いましょう。以上

自分で言うのもなんだが、これは見事。
(私の功績でもなんでもないですけどねてへぺろ☆(・ω<))


放射線計測器、とりわけ GM計については、ここにもいろいろとまとめて記載しておかないといけないことが、まあとにかくいろいろとあるわけですが、なかなか書けずにいます。事態がまだまだ流動的ということもあり、書けずにいるうちに陳腐化し…なんてことはすべて言い訳でありまして。
ともかく、放射線測定器の中でも私は GM管 から浮気する気はない、シンチとか手を出す気はない…なんて言っている私の手許に何故か、いつのまにやら、こんなものが。

安かったんで、つい…
というのは半ば冗談としても、使い方次第では意外なほど「まとも」な計測器です、これは。…勿論、価格の割には、ですけども。でもって、使ってやるわけです。ポケットに入れるにはちょっと長すぎるので、カバンの中にぽいっと放り込んで、持ち歩くわけです。初代「エアカウンター」に比較して衝撃などの外来ノイズにはだいぶ強くなっているとの話ですが、それでも弱い・軽い衝撃では誤カウントしがちなんていう癖があるようで*1、あんまり腰にぶら下げて…なんていう持ち歩き方もしたくないところ。
エアカウンターγ線のみの計測なうえに計数率も低いので、ホットスポット探しのようなサーベイ用途には不向きです。だから、本来的に地面や土壌に近接若しくは接触させて計測するような使い方はしません。従って、そもそもエアカウンター本体が「コンタミる」(計測器自体が放射性物質で汚染されて常に高い放射線量値を示すようになってしまう)ようなことは「考える必要がない」わけです。…しかし。いま書いたとおり、どこかにブラブラとぶら下げて使うとかはしないほうがいい、となると、どうしても取り落としたりする危険性は高まります。水溜まりにでも落とした日には、一撃でアウトでしょう。それに、汚れるよりは汚れないほうがいいに決まっています。雨の日・雪の日に、濡れることを恐れて計測を断念するなど、本末転倒です。じゃあ、専用ホルダーのようなもの(→ こういうのとかですね)に入れれば万全なのかというと、これがまたかさばるし、取り出さないと値も読めない。
どうしましょう。  →→→ こうしましょう。

ここで登場するのが、商品の陳列包装やラッピングに使用される所謂「PP袋」(OPP袋;PPバッグ)というもの。様々なサイズが揃っており、目的に応じてシール蓋つきなどのバリエーションも有効。軟質ポリ袋よりも透明度が高く、「中の物」がしっかり見えます。この「PP袋」の一種である「クリスタルパック」の「S3.5-22」というサイズが、まさにエアカウンターS にぴったりのサイズ。エアカウンターS のために製造されてるんじゃないかっていうくらい。
残念ながらシールフタ付きのタイプではちょうどいいサイズのものはありませんでした。ですが、充分ではないかと。セロテープや何かのシールでぺろっと止めてもいいし、折り返して輪ゴムを巻いてもいい。上の写真のようにビニタイ(ねじりっこ)で縛ってもいい。
因みにスイッチ操作は袋の上からでも問題なくできました。それに、破れたら交換すればいいだけの話です。


モノはこんな。

上「クリスタルパック」と下「ピュアパック」はスペック的に特に何か異なるわけではなく、「クリスタルパック」が日本国内製造であるのに対し「ピュアパック」は海外製造、でもってちょっとお安い。それだけの差。サイズも厚さも同一です。
私はこれを、秋葉原からも程近い(ひと駅だから歩いてもいける)浅草橋「シモジマ」にて求めました。(実際、歩いて行ってきました。)

元々は業者さん向けの店舗用品のお店なので、意外なほどお安い。勿論、商売関係ない一般の人間も普通に購入できます。

こういうのが嬉しい。モノを持参すれば店頭で「入るか、入らないか」とか試せるわけです。


「クリスタルパック」で検索するとネット通販やってるところが幾つか見つかると思います。
たとえば(※註:べつにこちらのショップが特におすすめというわけではありません)

実店舗でいえば、店舗用品・包装用品専門店でなくとも、大きめの文具屋さんなどに行くと結構置いてあるようです。「某クリエイティブライフストア」とか、ユザワヤなんかでも買えます。 御自身のエアカウンターS を、綺麗に長く使いたいとお考えの方は、探してみられてはいかがでしょうか。100枚でせいぜい¥200 程度、1枚 ¥3 しないならば頻繁に交換してもさほど勿体なくないですね。


念の為再掲しておくと、適合型番は「S3.5-22」(35mm巾×深さ220mm)です。


エアカウンターS」について、あと少しだけ書いておきます。

ネット上では頭ごなしに貶してる人とか、所詮は…とか、期待したほどの…みたいな言い方してる人も多いようですが、私は、「あの事故」後 1年を待たずしてこういう製品が世に出たことはまさに「日本の勝利」といって差し支えないと思っています。こんな哀しい勝利もないですが。まさかこんな時代が来るとは思っていなかった。でも、悲しくとも苛立たしくも、これが現実です。

なんの変哲もない、ごく普通の街中の薬屋さんで、放射線計測器が陳列されているという、あんまり認めたくない現実がそこにはありました。今後ますます浸透していく特殊測定機器。「放射線測定器のある日常社会」。本来見ることも触れることもかなわなかったその得体のしれないものをうかがい知るための、同じくらい得体の知れない機械が、手を伸ばせば届くところにまでやってきた、そんな世の中。さて、これをどうするかは、我々に託されたわけです。目をそむけるのもひとつの身の処し方。この「棒きれ」を振りかざしてがなり立て、騒ぎまわるのもひとつの処し方でしょう。


このへんは、まあ何を言っても無駄な部分ってあります。


…そんな中で、私は、どうやったらこの「棒」を快適に・有益に使えるだろうか、とか、いろいろ考えて、試して、を今後も続けていこうと考えています。何かいいアイデアとかアイテムが見つかったら、披露していきます。
まあしかしだ。でもやっぱり言わせてね。エアカウンター(S) で、値を確定するなよ! 特に持ち歩いて、ウロウロする系の人! 異常な値が出たら、「ちゃんとした」GM計なりシンチレーション計なり持ってる知人に相談しようぜ。エアカウンターは「その程度の器具」だから。値段考えようよ。GEEK でもなんでもない人間が数千円で思いついたように放射線検出できるってだけで、本来「奇跡」ぐらいに思わなくちゃ。
数10万円、数100万円の計測器が何故断固として存在する(そしてそれがいまでも順調に売れ続けている)のか、考えようよ。
「百均のハサミ」だって、活躍の場はあるでしょう。頭ごなしに「こんなもの使えるか!」って言っちゃって存在を全否定するのは簡単ですが、それもまたどうなのか。ハサミのある世界と無い世界を想像する。エアカウンターS は放射線測定の世界を切り開く、おそらくいま最も入手が容易な「ハサミ」です。


もうひとつ、おまけ。

いつまで経っても記事にできそうにないので、半ば投げ遣りに(笑)


私がおすすめする(ローエンドクラス) GM計 は、こちら 2点。

勿論、コストパフォーマンスやコンパクトさ、お手軽さから考えて、ロシア製 GM計 「SOEKS-01M」や「RADEX RD1503 / RD1706」などもおすすめです。まだ高い値段をつけているショップもいっぱいあるので、できるだけ安く入手しましょう。(買うならばネット通販をお勧めします。理由は、安いからです。圧倒的に。)
何故イチオシでないかというと、それは電池寿命であったり、設定できる項目であったり、データが容易に取り出せるか否かであったり、…要するに実際に使ってみた印象としか言いようがありません。
こういうのは好みとか使用シーンの癖とかもあるので、ほんとはしばらく試せるといいんですけどね。…あ、リアル知人の方にはお貸ししますよ。
勿論他にも良い機種はたくさんあります。…ですが、私は自分で試してもいない機種についておすすめ・非おすすめ等 云々したくないので、余計な発言は控えておきます。私自身は(個人レベルでは) GM管、なかでも SbM-20 至上主義なので、かなりかたよってます。使用シーンによっては、私の選択は正しくありません。


因みにですが、精度とかなんとかはどれもいうほどの差異はないと思っていいです。もともとそんな期待するほどのものじゃあないです。GM管による放射線計測そのものが、そういう性質のものです。そのへんの勘どころは、とにかくいろいろ測って、値を実際に出してみて、測定者自身の経験値を上げていくしかないと思います。
なにしろ相手は放射線。いままで習って、学んできた常識とそこから培ってきた常識的感覚は、まったく通用しないのですから。

*1:Twitter で拾った情報:内部解析やデータ分析を行ったかたによると、エアカウンターS では 4個内蔵されている半導体センサ(PD)をそれぞれ個別に監視しており、「すべて(あるいは多く?)のセンサが同時に反応したらそれはノイズ」と判断する多数決(多数否決?)処理をしているらしい、とのこと。放射線の性質を逆手にとった実に賢い方法だ。(ただし感度(計数率)は犠牲になっているということになろうか。)